マンション売却の手続き!初めての不動産会社との相談から媒介契約まで

マンションの売却を決意したけれど、まず何をしたら良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。 不動産会社に相談に行くことは分かっているのだけれど、相談初日は何をどこまで話したら良いのか、何の書類を持って行けば良いのか。その後の手続きはどんな風に進めていくのか。 家の売却は人生における重大事であるからこそ、わからないことが多ければ不安になってしまうのは当然のことです。 そこで不動産会社に初めて相談をする時は、どんな風に話が進んでいくのか、必要書類は何かをご説明します。そして査定を経て、不動産会社と媒介契約を結ぶまでの流れについてお伝えします。 この記事では売却活動の前半に必要となる手続きをまとめました。

不動産会社との相談は何曜日が良い?

初めて不動産会社に相談をするときは、自分から店舗へ出向くこともありますし、営業担当者に自宅へ来てもらうこともあります。 できれば一度は実際に店舗を訪問してみることをおすすめします。会社の雰囲気もわかりますし、担当者以外の社員の対応なども見ておいた方が良いでしょう。物件の売却は不動産会社と二人三脚で進めることになります。あまりきちんとした印象がない会社でしたら、契約を見送ることも必要です。 不動産会社に相談する時は、なるべく混雑しておらずじっくりと話ができる曜日や時間帯を選ぶと良いでしょう。 お勧めの曜日は、さほど混んでおらず落ち着いて話ができる木曜日か金曜日で、時間帯は午前中が最適です。お昼以降は徐々にお客さんが増えていく傾向があります。 木曜日・金曜日が相談に適している理由の1つは、不動産会社は水曜日が定休日の場合が多いことです。一般的に水曜日を休みにする理由は、「水」の文字が「水に流す」ことを想起させ、「契約がまとまらない」ことを避けるための縁起担ぎと言われています。また不動産の契約・申し込みなどは週末に重なりますので、その処理や事務作業がひと段落する水曜日当たりに休むのがちょうどいい、という理由もあります。 水曜日以外では、土日祝日は平日に仕事をしているお客様で混み合いますし、担当者が査定や物件案内に立ち会うために外出している場合があります。そのため、できれば週末は避けた方が良いでしょう。特に土日に突然訪問して、ゆっくり相談をすることは難しいと考えて下さい。平日に時間が取れない場合は、あらかじめ電話で予約をして週末に時間を確保してもらいましょう。 また月曜日は週末に受けた顧客の申し込み案件・契約の事務処理やローン事前審査の手配、社内会議などで忙しい傾向があります。火曜日は定休日である水曜日の前日に当たるためやはり混み合います。 不動産会社は水曜日の他に、火曜日または木曜日を続けて定休日とすることが一般的です。店舗へ行って相談する場合はあらかじめホームページなどで定休日を確認した上で、できれば電話やメールで予約を取りましょう。比較的時間に余裕があるのは木曜日または金曜日ですが、どんな相談をしたいかを簡単に伝えて、マンション売却に強い担当者がいれば、その日を予約すると良いでしょう。

初めての相談の際に必要な書類は?

不動産を売却する際には、多くの書類をそろえる必要があります。ここでは初めて不動産会社に売却を相談する際に、持参または用意しておく書類についてお伝えします。 主に次の書類を用意すると、簡単な査定(机上査定)もしてもらえます。
(1)登記簿謄本または登記事項証明書
(2)固定資産税納税通知書・課税明細書
(3)身分証明書
(4)物件の概要がわかるもの(間取り図・設備の仕様書・パンフレットなど)
(5)管理規約・使用細則・長期修繕計画表

(1)登記簿謄本と(2)固定資産税納税通知書・課税明細書は、どちらかを用意すれば大丈夫です。(5)管理規約・使用細則・長期修繕計画表は、持参するとなお良いでしょう。 不動産売却の際に必要な書類については、「不動産売却の必要書類を手続きごとに解説!マンションの場合は何が必要?」のページで詳しくご説明をしていますので、ご参照ください。

相談当日の流れ

必要書類の用意ができたら、不動産会社に売却の相談をしましょう。時間は長めに見積もって2時間程度と考えておくと良いでしょう。初めて相談をする際の流れは、次のようになります。
(1)営業担当者との挨拶・会社の紹介
(2)顧客アンケートの記入
(3)相談および内容の整理
(4)書類の確認
(5)担当者・売り主からの質問と応答

(1)営業担当者との挨拶・会社の紹介

挨拶の後、営業担当者から簡単に会社についての紹介・説明が行われます。

(2)顧客アンケートの記入

不動産会社に相談に行くと顧客アンケートの記入を求められます。簡易査定など具体的に相談したい場合には、詳細を記入すると担当者も対応しやすくなります。一方、担当者や他の職員の対応が良くないなど、不動産会社の印象が悪い場合は、差し支えない程度で記入しても良いですし、アンケートの記入をせずに相談を終わらせても大丈夫です。詳細は次章「顧客アンケート記入のポイント」にてご説明します。

(3)相談および内容の整理

最初にマンションを売却したい旨をはっきりと伝え、なぜ売却したいのか(売却理由)、いつまでに売却したいのか(希望時期)、また希望価格などを話しましょう。 売却条件の優先順位も大切です。高値で売却することを最重視するのか、引っ越しの時期が決まっているので、価格は少し下げてでもなるべく早く売却することを望んでいるのか、などを前提となる事情と一緒に説明しましょう。物件にローンが組まれている場合はそれも話しておきます。 事前にご自分で簡単な売却計画を立てているときは、その根拠を伝えるとともに計画が妥当であるか、訊いてみることがお勧めです。不動産取引のプロの視点から助言をもらえます。また的確な返答をもらえるかどうかで、担当者の力量や知識が豊富であるかを知る手掛かりにもなります。 さらに物件に問題点などがある場合は、この時点で担当者に伝えておきましょう。ペットを飼っていてニオイが気になる、マンションの前に小学校があり日中はあまり静かではないなど、気になることはすべて話しておきましょう。
相談内容を詳しく伝えることで、担当者も物件の事情を把握しやすくなります。 相談の時点で営業担当者の知識やスキルが不足している、と感じたら他の担当者に変わってもらうこともできます。遠慮をせずに「詳しい方に変わってもらえますか」と伝えましょう。 相談内容をすべて伝え終わったら最後にもう一度相談の趣旨を整理して、お互いに勘違いなどが無いかを確認しましょう。

(4)書類の確認

相談が一通り終わったら物件についての書類を担当者に提示します(相談の際に一緒に書類を見ながら説明する場合もあります)。詳細が書かれた書類があると担当者も物件についての理解がしやすく、話がスムーズに進みます。さらにその場で簡易査定(机上査定)をしてもらう場合は物件に関する資料は必ず必要になります。

(5)担当者・売り主からの質問と応答

売り主の話が済み、担当者が書類に目を通した後、担当者から質問があります。売り主の説明や書類のみではわからないことを訊かれます。都合の悪いことでも正直に答えるようにしましょう。また手続きを進める上で分からないことがあったら、この時にすべて納得がいくまで聞いておきましょう。 上記のことがすべて済んだら、次回の相談や訪問査定日の予約をして、初回の相談は終わりになります。

顧客アンケート記入のポイント

顧客アンケートに記入する事柄

売主の情報
・氏名 ・住所 ・連絡先 ・連絡が取れる時間帯と注意点 ・家族構成 ・勤務先 ・年収 ・世帯年収 ・自己資金 ・資料の送付先

物件の情報
・物件の種類 ・面積 ・築年数 ・抵当権設定の有無

その他
・売却に関する希望、条件 

勤務先名や年収は物件にローンが組まれておらず、売却のみの場合は記入しなくても大丈夫です。

顧客アンケートの目的

不動産会社が顧客にアンケートを書いてもらう目的は、(1)物件情報の理解 (2)登記内容の確認 (3)顧客の資金力等の把握、などがあげられます。これらの情報をもとに担当者は売却計画の作成や査定額の算出をします。

アンケート記入のポイント

今後その会社に査定を依頼するつもりでしたら、内容をなるべくしっかりと詳細まで記入しましょう。物件の概要書類だけでは分からない、売り主にしか知り得ない物件や周辺環境の情報も記載します。 アンケートが詳しく記入されていると、売り主の本気度が伝わり担当者のやる気もアップします。さらに詳細を伝えることで、机上査定額を算出しやすくなりますし、担当者が売却計画を作るに当たり明確な提案ができます。 一方で繰り返しになりますが、職員の対応や店舗の雰囲気が良くなく、その会社に依頼をする気がなくなった場合は、大切な個人情報を知らせる必要はありません。アンケートを書かずに退出しても大丈夫です。

良い営業担当者の見極め方

依頼する不動産会社を選ぶ際には、営業担当者を見て決めることも重要です。スキルの高い担当者にあたるか否かで、売却の成功が左右されます。知識が豊富で実務能力が高い人が担当になれば、売却の際の選択肢も増え、的を射た提案やアドバイスをしてもらえます。 実際に依頼する不動産会社を選ぶのは、数社の訪問査定を終えた後になりますので、その時までに各社の担当者をじっくりと見ておきましょう。 良い営業担当者の見極め方のポイントをお伝えします。次にあげる点を重視しましょう。

(1)売り主の立場に立った売却活動が行えるか

・顧客の話をよく聴き事情を把握して、売り主の希望や条件に沿った販売活動が行えるか 一方的に意見を押し付けてくる担当者は要注意です。 ・コミュニケーション能力 親身になって相談にのってくれるか、問い合わせに対して迅速に対応をしてくれるか。言葉遣いや社会人としてのマナーができているかも大切です。 ・専門用語をわかりやすく説明してもらえるか 不動産取引では専門用語が多く、一般の人は戸惑うことが多いと思います。そんな時に難しい専門用語をわかりやすく、丁寧に説明してくれる担当者は評価できます。

(2)知識や実務能力

・不動産に関する知識が豊富 当然ですが不動産に関する知識が豊富な担当者の方が、売却活動で有利になります。宅地建物取引士の資格を持っているかどうかも、判断材料の1つです。 知識の有無を判断するには、質問に対して根拠を示しながら的確に答えられるかどうか、で見極められます。例えばマンションの売却に関する法律や税金のこと、売却戦略など、同じ質問を各社の担当者に聞いてみましょう。 またアドバイスの内容や提案のレベルも担当者によって異なります。納得のできる提案等ができる人を選ぶと良いでしょう。 ・実務経験 これまで手掛けた契約件数はどれくらいかを聞いてみましょう。担当者によりどの案件の経験が多いかが異なります。得意分野はマンションか、戸建てか、また売却か購入か、など実績を尋ねてみましょう。

(3)的確な売却戦略を立てているか

・売主の希望や条件に合った明確な販売戦略を立てられるか 売却活動にあたり売買契約の締結までの、具体的なストーリーを描いているかどうかも重要です。 時間をかけて高値で取引ができる購入者を探すのか、売却を急ぐ場合はどれくらいの売り出し価格で始め、値下げをするタイミングを具体的に考えているか、などが参考になります。 また販売のターゲット層についても聞いてみましょう。 ・物件のマイナス面を考慮しているか 査定などの際に物件のデメリットについて指摘し、的確なアドバイスをもらえるか、マイナス面を考慮した価格設定をしているか、についても判断材料になります。 ・営業手法 どのような媒体を利用して販売活動を行っていく予定かを聞いてみましょう。チラシを撒くエリアや頻度、インターネット上の宣伝活動、不動産会社の店舗のガラス窓にチラシを貼るなど、いろいろあります。宣伝の手法について明確に答えられる担当者は評価できます。 ここまで良い営業担当者の見極め方についてご説明しました。ポイントはいくつもありますが、最終的には人同士の関係になります。どの担当者も甲乙つけがたく、迷ってしまった場合は自分と相性の良い、相談しやすい人を選ぶと良いでしょう。

資金計画を立てよう

資金計画を作成すると、売却手続きに必要な費用・戻ってくる費用を把握でき、売却計画が妥当かどうかをより具体的に検討できます。 例えば物件にローンが組まれている場合、ローンの残額とその他の諸費用を把握することは重要です。ローンを完済するためには最低でもどれくらいの価格で売却する必要があるのかがわかり、あるいは手持ちの自己資金も加えないと返済できない、という予測もできます。 このようにして希望売却価格や最低売却価格を決める際の参考にできます。 詳しくは「資金計画を立てよう!(仮題)」にてご説明していますので、そちらをご参照下さい。 売却後に手元に残る資金は次の計算式で求められます。 売却価格-(売却に必要な諸費用+住宅ローン等返済額*)+戻ってくる費用 *住宅ローン等が組まれている場合(繰上返済手数料含む)

諸費用にはどんなものがある?

売却に必要な諸費用には、主に次のものがあります。 (1)仲介手数料 (2)収入印紙税 (3)登記費用 (4)譲渡所得税 (5)インスペクション費用 (6) 引越し代金 (7)ハウスクリーニング費用 
このうち(4)譲渡所得税は売却で利益が生じた場合に課せられます。(5)インスペクションと(7)ハウスクリーニングは任意になります。

(1)仲介手数料
手数料の額は不動産会社が自由に設定できますので会社によって異なりますが、法律により上限が定められています。 物件の売買価格が400万円を超える場合は、次の計算式で手数料の上限を算出できます。 仲介手数料 = 売買価格 × 3 % + 6万円 + 消費税 売買価格は消費税を含みません。報酬は消費税の課税対象となりますので、報酬額に加えて消費税の支払いが必要です。 これらの金額はあくまで法律上の上限額ですので、不動産会社に値下げ交渉もできます。

(2) 収入印紙税
印紙税とは、印紙税法に定められた文書を作成した者に課せられる国税です。主に契約書や領収書を作成した時に支払い義務が生じます。 不動産売却において売り主が印紙税を支払うのは「売買契約書」を締結する時で、契約書に記載された売買額に応じた税額を支払うとされています。 現在は不動産の譲渡に関する契約書に関して、軽減税率が適用されており2020年3月31日までに作成される契約書については、税負担が割安になっています。 詳しくは国税庁ホームページ「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」にてご覧いただけます。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/08/10.htm
領収書については、個人が持ち家や相続物件などを売却する場合は、印紙税法により非課税とされています。そのため手付金や売却代金の受け取りの際の領収書には、印紙を添付する必要はありません。 また不動産会社と媒介契約を結ぶ際の契約書は課税対象外となっています。

(3)登記費用
登記費用には①不動産登記の手数料 ②登記申請を司法書士に代理で依頼する場合の司法書士に対する報酬、が含まれます。 不動産の売買で行われる売り主に関わる登記は、所有権移転登記・抵当権の抹消登記・売り主の住所変更登記があります。このうち所有権移転登記は原則購入者が手数料を支払います。 売り主が負担する分は抵当権の抹消登記と、住所変更登記(住所変更が必要な場合)です。手数料はどちらも不動産1つにつき1,000円となっています。

(4)譲渡所得税
譲渡所得税は不動産等の資産を売却して利益が出た場合に支払う税金です。正式には所得税と地方税で、2037年まで「復興特別所得税」として、所得税額に2.1%が加算されます。 不動産の売却で利益が出なかった場合、また売却損が生じた場合は納付の必要はありません。譲渡所得税はその他の所得(事業所得、給与所得など)とは区別され、不動産の売却益のみに課せられます。 譲渡所得税は売却をした翌年の確定申告で納付をします。

(5)インスペクション費用
インスペクションは「建物状況調査」のことで、中古物件を売却する際に行われる専門機関による住宅診断です。実施は義務ではありません。ただし宅建業法の改正により平成30年4月以降は、重要事項説明書にインスペクション実施の有無や、調査結果について記載することとなりました。 検査内容は建物の安全性や劣化状況、設備の不具合などの調査です。給水管の状態や漏水の確認、家の傾き、壁のひび割れ等を主に目視で確認します。調査時間は2時間~半日程度です。費用は検査機関や検査項目により幅があり、3~10万円と言われています。

戻ってくる費用は何がある?

不動産を売却した時に返還される費用は主に次のものがあります。
(1)マンション管理費・修繕積立金清算金
(2)固定資産税・都市計画税の清算金
(3)火災保険料・地震保険料
(4)住宅ローン保証料

ここまで売却の資金計画を作成するにあたり、何の費用がどれくらい必要になるのか、また戻ってくる費用は何があるか、についてお伝えしました。資金計画を詳細に立てることは、売却計画が実現可能かを知る上での大切な判断材料となります。 営業担当者と相談をしながら不明な点は遠慮をせずに質問をして、早めに作成をしましょう。

不動産会社と媒介契約を結ぶ ~契約には3種類がある~

最後に不動産会社と媒介契約を結ぶ際の、契約の種類と内容をお伝えします。 査定が終わり、どの不動産会社に売却活動を依頼するかを決めたら、媒介契約を結びます。この際に知っておくことは、媒介契約には3種類あり、それぞれ不動産会社の活動義務・売り主に対する制約などが定められていることです。また契約によりメリット・デメリットがあります。 そのため売却活動に際し、自分の物件の売却にはどのタイプの契約が合っているのかを知ることが大切です。 媒介契約には次の3種類があります。
(1)専属専任媒介契約
(2)専任媒介契約
(3)一般媒介契約
それぞれの契約内容をご説明しましょう。

(1)専属専任媒介契約

専属専任媒介契約を締結すると、売り主は他の不動産会社と重ねて契約を結ぶことができません。契約した会社に売却活動をすべて任せることになります。たとえ売り主が親戚や知人などから自分で購入者を見つけて契約を行うと、高額の違約金が発生します。これを自己発見取引の禁止と言います。 専属専任媒介契約はこのように売り主に関する制約がある一方で、不動産会社の活動を促進するための厳しい法規制があります。 まず不動産会社は媒介契約を締結後、5日以内に不動産情報ネットワークシステム「レインズ」に、物件の情報を登録しなくてはなりません。 レインズとは「Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)」のことで、不動産会社のみが使用できる不動産情報サービスサイトです。 レインズには全国の会員不動産会社から物件情報が登録され、どの地域の不動産店舗からでも情報の検索・閲覧ができます。個々の不動産会社が所有している物件情報を、日本中の不動産会社へ行きわたらせる、不動産取引のインフラとも呼ばれています。 売り主の物件情報をレインズに登録することで、全国の不動産業者間で情報が共有され、ニーズが合えば購入検討者に紹介をしてもらえます。購入者を広く募るための、売却活動ではなくてはならない媒体です。 また担当者は売り主に対して、少なくとも週に1度は売却活動の状況を文書・電子メール・口頭でのいずれかで報告する必要があります。 専属専任媒介契約の期限は3か月と定められており、期限が到来した後、売り主は同じ会社と再契約をすることもできますし、他の会社と改めて契約を結びなおすこともできます。 専属専任媒介契約は自己発見取引の禁止というデメリットがある一方で、不動産会社の迅速な売却活動を期待できるというメリットがあります。この契約は他の契約と比べて売買契約に至るまでの期間が短い傾向があります。 また不動産会社にとってみれば、売り主は自社のみに売却活動を任せているため、売買契約に結び付けられる可能性が高く、担当者のやる気のアップにつながります。担当者と密に相談をしながら売却活動をしていきたい場合や、単なる売却ではなく込み入った事情があるなど、複雑な事案では専属専任媒介契約または、次にご説明する専任媒介契約がおすすめです。

(2)専任媒介契約

専任媒介契約の場合も契約を結んだ会社以外とは、契約を結ぶことができません。ただ専属専任媒介契約と異なるのは、売り主が自力で購入者を探して売買契約を結ぶことが許可される点です。 売り主に購入者の当てがある場合、その相手と交渉しつつ不動産会社にも購入者を探してもらい、より条件の良い方と契約を結びたい、という場合などに有利な契約形態です。 専任媒介契約は専属専任媒介契約と比べ、不動産会社に対する規制が少し緩くなります。 レインズへの登録は媒介契約締結後7日以内とされ、売り主への販売活動の報告は2週間に1度以上とされています。 専任媒介契約も専属専任媒介契約と同様、一社のみとの契約になりますので、担当者との信頼関係を築きやすい契約形態です。

(3)一般媒介契約

一般媒介契約の場合、売り主は一度に複数の不動産会社と契約を締結できます。契約会社が増えることで、複数の会社で物件情報を紹介してもらえ、広告宣伝などの売却活動をしてもらえる、というメリットがあります。また購入者を売り主本人が探して契約をすることも可能です。 一般媒介契約には明示型と非明示型があり、前者の場合、売り主はどの会社と契約を締結しているかを他の会社に通知する必要があります。非明示型の場合はその必要はありません。 いずれの場合でも不動産会社に提供する情報や売却条件は同一にします。 一般媒介契約は上記のメリットがある一方、不動産会社の活動に関する規制が比較的緩いと言えます。 不動産会社は物件情報をレインズへ登録する義務を負わず、売り主への活動状況の報告義務もありません。 また不動産会社にとって売り主が複数社と契約していることで、自社を通して売買契約を結ぶ可能性が他の契約形態と比べ低く、あまり歓迎される契約ではありません。担当者のモチベーションが下がり、売却活動を熱心にしてもらえないおそれがあります。 一般媒介契約は時間がかかっても広く購入者を募って、希望する条件で売却をしたい場合などに向いている契約です。

まとめ

マンション売却に際しての、不動産会社との相談初日の流れから、媒介契約を結ぶまでの手続きについてご説明しました。 売却を決意してから売買契約・物件の引き渡しまで様々な手続きがありますが、必要な手続きの流れを事前に把握しておくと、心強く臨めます。 知識を身につけておけば、すべて不動産会社の担当者任せではなく、一緒に相談をしながら有利な売却活動ができます。ぜひこの記事をご参考になさって下さい。

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