不動産売却の必要書類を手続きごとに解説!マンションの場合は何が必要?

初めてマンションを売却する際には、どんな書類がいつ必要になるか、分からないことが多いと思います。実際、マンションを売却する際には様々な書類を用意する必要があります。 そこで売却活動のどの段階で、何の書類を用意する必要があるかについて、わかりやすくご説明します。 また各書類はどこで取得できるのか、紛失してしまった場合はどうしたら良いかについてもあわせてお伝えします。
基本的には以下のタイミングでそれぞれ書類が必要になります。

1. 不動産会社に初めて相談をする時
2. 訪問査定
3. 不動産会社と媒介契約を結ぶ時
4. 売買契約を結ぶ時
5. 残金決済・引き渡し

1. 初めての相談の際に必要な書類は?

不動産会社に初めて相談をする時は、どこまで具体的に相談するかにもよりますが、主に以下の書類を準備しておくと良いでしょう。その場で簡易査定(机上査定)をしてもらう場合も、これらの書類があると担当者が査定を出しやすくなります。

(1)登記簿謄本または登記事項証明書
(2)固定資産税納税通知書・課税明細書
(3)身分証明書
(4)物件の概要が分かるもの(間取り図・設備の仕様書・パンフレットなど)
(5)管理規約・使用細則・長期修繕計画表

(1)登記簿謄本と(2)固定資産税納税通知書・課税明細書は、いずれかを用意すれば大丈夫です。(5)管理規約・使用細則・長期修繕計画表は、初回の相談時点ではあれば持参すると良い程度です。

(1) 登記簿謄本または登記事項証明書

登記簿には物件の権利関係に関する内容が記載されています。物件の所有者の氏名や所在地、抵当権の設定など様々な事項が記されています。 登記簿謄本とは登記簿の写しのことを言います。登記簿はかつて手書きで記入されており、その写しである登記簿謄本は読みづらいことも多くありました。 2008年に登記簿の内容がデータ化されコンピューター上で保管されるようになり、それをプリントアウトしたものが登記事項証明書です。つまり登記事項証明書は登記簿謄本のデータ版で、内容も同じです。
登記事項証明書の取得方法は?
物件の「地番」と「家屋番号」の確認
登記事項証明書の取得には、物件の地番と家屋番号が必要です。この番号が分からないと証明書の取得申請ができません。地番や家屋番号は普段私たちが使用している住所の番地とは異なるものです。 地番とは主に不動産登記上で使用される、一筆(登記簿上で土地を数える単位)の土地ごとに付けられた番号です。
家屋番号とは不動産登記法に基づいて、法務局が建物を識別するために1つ1つの建物に付ける番号です。原則的に建物が所在する土地の地番と同じ番号が付されます。 法務局を直接訪問して登記事証明書を項得する場合、地番・家屋番号は法務局に備え付けの地図で確認ができ、窓口でも教えてもらえます。ただ前もって調べておいた方が、手続きがスムーズになります。また証明書は郵送やオンラインサービスにて取得できます。この場合は地番・家屋番号を入力・記載する必要がありますので調べておきましょう。 地番および家屋番号の確認をするには次の方法があります。
①固定資産税の課税明細書の記載を確認する
課税明細書の「土地の所在」「家屋の所在」欄に記載されています。
②登記済権利証の記載を確認する
「不動産の表示」欄に記載されています。
③管轄の法務局に電話で問い合わせる(管轄法務局の調べ方は後述します)
物件の住所と所有権者の氏名を伝えると教えてもらえます。
④管轄の法務局の窓口で教えてもらう
⑤ブルーマップで確認する
ブルーマップは管轄の法務局に備え付けてある、地番・家屋番号を確認するための地図です。法務局の他にも国会図書館や大型の地域図書館でも閲覧ができます。

登記事項証明書の取得手続き
地番・家屋番号を確認したら、登記事項証明書の取得手続きをしましょう。次の4つの方法があります。
①オンライン取得サービスにて請求
②物件の地域を管轄している法務局の窓口で申請
③最寄りの法務局の窓口で申請
④郵送にて取得
①オンライン取得サービスにて請求
以前は登記簿謄本を取得するには、法務局の窓口へ行く必要がありましたが、現在は登記事項証明書のオンライン請求が可能となっています。
ご自宅などのパソコンから取得の手続きができ、受け取りも自宅・会社への郵送や最寄りの法務局窓口など、ご都合に合わせて選べます。
請求手続きができる時間帯も、窓口では平日の午前8時30分から午後5時15分までですが、オンライン請求の場合は平日午前8時30分から午後9時まで可能です。
また手数料も他の取得方法より安く、オンライン請求をして郵送で受け取る場合は500円、最寄りの登記所などで受け取る場合は480円です。登記所を訪問して窓口で取得する場合の手数料は600円かかりますのでお得です。
手数料はインターネットバンキングやその他の方法で支払いができ、収入印紙も必要ありません。
詳しくは法務局の公式サイトにてご覧いただけます。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/category_00003.html ②物件の地域を管轄している法務局の窓口で申請
管轄の法務局は法務局の公式サイトで確認できます。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kankatsu_index.html また法務局に電話をすると、管轄の法務局を教えてもらえます。問い合わせは全国どの地域の法務局でも構いません。 窓口申請の場合、特に必要な持ち物はありません。手数料600円のみ用意しましょう。
③最寄りの法務局の窓口で申請
最寄りの法務局は公式サイトのこちらのページで確認ができます。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji10.html ④郵送にて取得
郵送で登記事項証明書を請求する場合、次のものを管轄の法務局へ送ります。
(ア)交付申請書(登記事項証明書等の請求書)
法務局のこちらのページからダウンロードできます。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/category_00002.html
(イ)収入印紙600円分(手数料にあたります。郵便局で購入ができます)
(ウ)返信用封筒(切手を添付します)
詳細は法務局のこちらのページにてご覧いただけます。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/000130942.pdf

(2)固定資産税納税通知書・課税明細書

固定資産税は土地や家屋、建物などの不動産を所有する人に、毎年課せられる税金です。その年の1月1日に不動産を所有している人が納付する義務を負います。4月~6月に不動産が所在する市町村役場(東京都23区内は都)から納付書が送られ、所有者は4月から1年分の固定資産税を一括または分割で支払います。 固定資産税納税通知書は納付書と一緒に送付される書類で、固定資産税の金額を通知するものです。課税明細書は納税通知書に付随する書類で、税金額の算出の根拠となる不動産の評価額などが記載されています。 不動産会社に初めて相談する際は、地番や家屋番号、納税額、物件の評価額の確認のために必要となります。最新のものを用意するようにしましょう。 納税通知書を紛失してしまった場合再発行はできませんが、代わりに「固定資産評価証明書」を取得しましょう。取得方法は物件の所在地を管轄する市区町村役場の窓口や郵送での申請が可能です。

(3)身分証明書

本人の特定のために必要となります。氏名・住所・生年月日が記載されているもので、できれば顔写真付きの運転免許証やパスポートを用意しましょう。顔写真付きのものがなければ、健康保険証などでも大丈夫です。

(4)物件の概要が分かるもの(間取り図・設備の仕様書・パンフレットなど)

簡易査定の際に必要となります。物件種別(一戸建て・マンションなど)・住所・建物面積・構造・築年数など物件の状況の把握に使用されます。特に間取り図は専有部分の面積や部屋の配置、方位を確認する上で重要です。
マンション購入時のパンフレットや広告などがあれば、物件の特徴やアピールポイントがわかりますので用意しておきましょう。

(5)管理規約・使用細則・長期修繕計画表

マンション内のルールが記載された書類です。管理費や駐車場利用についての規則、ペットの飼育の可否などが記されています。

2. 訪問査定時に必要な書類

訪問査定を受ける時に必要となる書類は主に次の物があります。相談時にすでに提示している場合は除いて構いません。

(1)登記識別情報通知書または登記済権利証
(2)重要事項説明書(購入時のもの)
(3)固定資産税納税通知書
(4)売買契約書(購入時のもの)
(5)間取り図および専有面積が分かる資料
(6)設備の仕様書
(7)マンション管理規約
(8)ローン残高証明書

以下はあれば用意しておくと良い書類です。

(9)登記事項証明書 
(10)耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書

(1)登記識別情報通知書または登記済権利証

査定時には物件が確かに売り主本人が所有するものであることを、確認するために使用します。

登記済権利証とは?
登記済権利証とは登記完了後、登記所により当該不動産の所有権者に交付されていた証書です。この証書を所有していることが、不動産の所有者である証とされていました。 登記済権利証は、その後に登記不動産に関する手続きを行う際に必要とされていました。例えば抵当権や賃借権の設定、所有権の移転などの手続き時には登記済権利証の原本を持参することとなっていました。 平成17年の不動産登記法改正により、不動産の所有権者には登記済権利証の交付ではなく、登記識別情報を通知する制度へと変更になりました。制度変更には移行期間があり平成21年7月からは完全に登記済権利証の交付は廃止され、登記識別情報制度に変わりました。

登記識別情報とは?
登記識別情報とは、登記手続き完了後に登記名義人に対して通知される、ランダムに選ばれた12桁の英数字の番号です。この英数字の情報を知っていることが、登記名義人であることを確認する方法の1つとなっています。長いパスワードのようなものと考えるとわかりやすいと思います。 もともとはオンラインで登記手続きが行えるように採用された制度で、オンライン申請をするときはこの英数字の情報を入力することが必要です。 登記所から送られる識別情報が記載された書類を紛失しても、英数字の情報をどこかに控えていて、番号を知っていれば登記名義人として証の1つとなります。 そのためこの識別情報は非常に大切です。他人に見られて情報が洩れることが無いように、厳重に保管をしましょう。 以前は書類に記載される12桁の識別情報の部分に目隠しシールが貼られていましたが、平成27年より様式が変更になりました。シールではなく、識別情報が記載されている書類下部を折り曲げ、周囲を糊付けして隠す様式となっています。 次に登記手続きをするまでは必要のない情報ですので、そのまま保管することをお勧めします。 これらの書類は万一紛失してしまった場合、再発行はできません。物件の所有者移転登記時に登記識別情報等が必要ですが、紛失した場合は法律に定められた方法で移転登記をすることになります。詳しくは「5.残金決済・引き渡し」の章でご説明します。 査定の時点では代わりに登記事項証明書、または登記簿謄本を用意しておきましょう。

(2)重要事項説明書(マンション購入時のもの)

マンションを購入時に物件および周辺環境の重要事項について、宅地建物取引士から重要事項説明を受けます。重要事項説明書はその内容が記載されている書類です。購入時の物件と周囲の環境が分かる資料として必要です。紛失してしまうと再発行ができませんので、購入時の関係書類と一緒に大切に保管しましょう。

(3)固定資産税の納付に関する書類

固定資産税の滞納の有無や固定資産税額、また物件の地番・家屋番号の確認に使用します。課税明細書も用意しておきましょう。納付状況の確認には領収書や口座引き落としの通帳などが必要です。

(4)売買契約書

マンション購入時に受け取った売買契約書です。購入時の価格や物件の内容を確認します。こちらも紛失すると再発行ができない書類です。

(5)間取り図および専有面積が分かる資料

間取り図は各部屋やバルコニーなどの面積や配置、方角等の確認に使用されます。 専有面積が分かる書類はマンションのパンフレットなどでも構いません。ただパンフレットやチラシに記載されている面積は登記簿に記載の専有面積よりも、若干広く表示されている場合があります。これは面積の測定方法の違いによります。測定方法は「内包(うちのり)面積」と「壁芯(へきしん)面積」の2種類があります。
内包面積…壁の内側の面積を測定
壁芯面積…壁や柱の厚みの中心部分を基準にして、その内側の面積を測定

壁芯面積の場合、壁や柱の内部の部分も面積に含まれますので、実際の生活空間よりも広く表示されます。一方内包面積の場合は実際の部屋(居住スペース)の広さが表示されます。 査定の際には専有部分の内包面積が分かると、より正確な査定ができます。内包面積は登記事項証明書で確認ができます。

(6)設備の仕様書

マンションにどのような設備が備え付けられているかが分かる書類です。キッチンの仕様や、給湯器、お風呂の冷暖房・乾燥機、洗面台の仕様などがまとめて分かる書類があると便利です。

(7) マンション管理規約

管理費や修繕積立金額、駐車場の使用規定、ペット飼育の不可などをチェックします。内容は査定にも影響しますし、管理規約は物件の引き渡し時に購入者に渡す必要があります。紛失した場合は早めに管理組合に再発行を依頼しましょう。

(8)ローン残高証明書

物件に住宅ローン等の抵当権が設定されている場合、売却にあたりローンを完済して抵当権を抹消する必要があります。そのためローン残高を把握し、売却資金で返済できるか、できない場合は自己資金を足せば返済が可能か、を確認する必要があります。 算出された査定額を参考に、ローン残高と照らし合わせ、自己資金を含めても完済ができない場合は売却自体ができないことになります。 このため早いうちにローン残高を確認しておきましょう。残高証明書は金融機関に依頼すれば郵送で受け取れますし、金融機関のウェブサイトでも確認ができます。残高証明書の代わりに、ローン返済予定表でも大丈夫です。

(9)登記事項証明書

物件に抵当権や賃借権などが設定されているかを確認するために必要となります。

(10)耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書

これらの書類は診断・調査をしていなければ存在しませんが、手元にある場合は提出をするとマンションの安全性のアピールにつながります。 耐震診断報告書とは建築物の耐震性を調査し、耐震状況を報告する書類です。 1981年6月に建築基準法が改正され、建築物の新耐震基準が定められました。これ以降に建築確認を受けた建物は新耐震基準を満たしているものとされています。 一方1981年6月より前に確認を受けた物件は新基準に適合していない恐れがあります。そのため耐震診断報告書があると、古い物件でも購入者が安全性を確認した上で購入できます。 注意したいのは物件の建築年ではなく、1981年6月以降に建築確認を受けているか、が判断基準となります。 アスベスト使用調査報告書は、健康被害を引き起すおそれのあるアスベスト(石綿)が、建築材料として使用されていないかを調査した報告書です。アスベスト被害が問題になる以前に建築された古い建物の場合は、使用されているおそれがあります。
最近の建築物では使われていませんが、不使用であることを明示するためにアスベスト調査が行われる物件が多くなっています。
いずれの書類も診断・調査が行われている場合は報告書があるはずですので、手元にない時は管理組合に確認をしてみましょう。
各報告書があることで購入検討者に安心感を与えられ、購入判断の好材料になります。

3. 不動産会社と媒介契約を結ぶ時に必要な書類

査定が済み、依頼したい不動産会社が決まったら媒介契約を締結します。媒介契約を結ぶ際に必要となる書類等は、主に次の4つに分けられます。

売り主の本人確認書類に関する書類

(1)身分証明書
物件の所有者が複数人いる場合は、共有者全員の身分証明書が必要とされています。ただ実務的には代表者の方の身分証明書のみで良いこともあります。
(2)印鑑証明書 
不動産会社によっては印鑑証明書が必要な場合もあります。発行から3か月以内の物を用意しましょう。
(3)住民票
物件の所在地と売り主の現住所が異なる場合のみ、必要となります。
(4)実印または認印
印鑑証明書を提示する場合は実印を用意します。それ以外は認印で大丈夫です。

物件の権利に関する書類

(5)登記済権利書または登記識別情報
物件が確かに売り主本人の所有であることを確認するために必要となります。
紛失してしまった場合、媒介契約の時点では代わりに登記簿謄本または登記事項証明書の提示でも構いません。
(6)固定資産税納税通知書
固定資産税の納税額および物件の評価額の確認に用います。媒介契約時には不要の場合もあります。

マンションに関する書類

(7)購入時の売買契約書・重要事項説明書
物件購入時の価格や当時の物件・周辺状況に関する概要を把握します。また重要事項説明書を新たに作成する際の参考になります。
(8)間取り図
売却活動における広告等の作成に使用します。
(9)マンションの管理規約・パンフレット等
管理費や修繕積立金の額、ペット飼育の可否などを確認します。パンフレット等は売却活動のために、物件の特徴を把握するためのものです。これらの書類は必須ではありませんが提出をすると、より詳細な情報を担当者に伝えられます。

その他の書類

(10)リフォーム履歴が分かる書類
過去にリフォームをしている場合、どの箇所をどのようにリフォームしたのか、具体的に分かる図面や書類などが必要です。
(11)耐震診断報告書
手元にあれば提出しましょう。購入者が物件を選ぶ際の参考になります。

4. 売買契約を結ぶ時に必要な書類

(1)登記済権利証または登記識別情報
(2)印鑑証明書
(3)固定資産税納付書
(4)マンション管理規約等
(5)建築確認通知書または検査済証
(6)本人確認書類

ここでは(2)印鑑証明書 (3)固定資産税納付書 (5)建築確認通知書・検査済証についてご説明します。

(2)印鑑証明書

3か月以内に発行したものが必要です。 市区町村役場や証明サービスセンターの窓口で取得できます。市区町村によってはコンビニのマルチコピー機で取得できる場合もありますが、通常のコピー用紙に印刷されるため原本か複写かの判断が付きづらいという難点があります。できれば役所で取得したものを持参しましょう。 取得に必要なものは以下の通りです。
・印鑑登録証(印鑑登録カード)、またはマイナンバーカード
・本人確認書類(免許証・パスポート・健康保険証など)
・手数料(数百円)
市区町村により取得方法が若干異なりますので、あらかじめ役所に問い合わせると良いでしょう。

(3)固定資産税納付書

固定資産税納税通知書は、①固定資産税清算金 ②所有権移転登記の際の登録免許税 を算出する際に必要となります。 固定資産税清算金とは?
日時点で不動産を所有する人が納付しますので、通常物件の売却前に売り主が1年分を支払っています。しかし年途中に売却をした場合、物件の引き渡し日以降は、本来買い主が負担する必要があります。そのため買い主は自己が負担する分の税金額を、日割り計算で売り主に返済します。この返済金のことを固定資産税清算金といいます。 固定資産税納税通知書に記載されている納税金額は、この清算金を算出する際の根拠となります。固定資産税清算金は、残金決済の際に売り主に支払われます。

登録免許税について
登録免許税とは、不動産の所有権移転登記をする際に納付する税金のことで、買い主が支払います。登録免許税の金額は物件の評価額に税率をかけて算出します。固定資産税納税通知書には物件の評価額が記載されており、この金額をもとに登録免許税が決まります。

固定資産税納税通知書を紛失した場合は、納税額と物件の評価額がわかる書類が必要です。「固定資産評価証明書」または「固定資産公課証明書」を市町村の役所で取得しましょう。 固定資産評価証明書は物件の評価額が記載されています。固定資産公課証明書は評価額に加えて固定資産税額も記載されていますので、通知書がない場合は公課証明書の取得をお勧めします。いずれも手数料は300円程度です。

(5)建築確認通知書・検査済証

建築確認通知書
建物を建築する場合には、設計の段階で建築基準法の規定を満たしていなければなりません。管轄の役所に建築確認申請書を提出し、審査を受ける必要があります。 役所の審査が通ると、「建築確認通知書」が交付されます。この通知書は「確認済証」または「建築確認済証」とも呼ばれます。この書類がないと工事に着手ができません。 建築確認通知書は建設計画の内容が、建築基準法に合致していることを証明するものです。

検査済証
建築工事が完了すると、役所が指定した確認検査機関が建築物について検査をします。建設が確かに建築確認申請書に記載された内容と同一で、建築基準法に適っていることを確認するものです。この検査で建築が適法であることを認められると、「検査済証」が発行されます。
つまり建築確認通知書は、設計の段階で法的基準を満たしていることを証明する書類で、検査済証は実際に建築された建物が、適法であることを証明する書類です。 検査済証等はマンションの管理組合または管理事務所が保管をすることになっていますので、手元に無いようでしたら管理組合に確認をしましょう。 その他、書類ではありませんが契約日に用意するものとして、契約書に添付する収入印紙や実印があります。不動産会社に支払う仲介手数料の半額も持参します。

5. 残金決済・引き渡し時に必要な書類

登記関係
(1)登記識別情報または登記済権利証
(2)印鑑証明書
(3)住民票
(4)本人確認書(身分証明書)
(5)実印

購入者に引き渡す書類一式(物件資料など)
(6)専有部分・共有部分の設備取扱説明書
(7)マンション購入時のパンフレット(あれば)
(8)マンション管理規約・管理組合関係の資料

その他持参するもの
(8)銀行口座の通帳(ローンを返済する場合)および届出印
(9)鍵一式(郵便受けや宅配ボックスの暗証番号など)
上記のうち、(1) 登記識別情報または登記済権利証 (3)住民票 (4)本人確認書 についてご説明します。

(1)登記識別情報または登記済権利証
登記識別情報または登記済権利証に関しましては「2. 訪問査定時に必要な書類」の章で詳しくご説明していますので、そちらをご覧ください。ここではこれらの書類を紛失してしまった場合の、登記手続きにおける対応をお伝えします。 登記済権利証・登記識別情報を紛失した場合、正当な理由があっても再発行は認められません。そのため登記済権利証等を用意できない場合は、登記手続きにあたり次の二つの方法のいずれかを利用します。 ①「本人確認情報」の提出
本人確認情報とは、司法書士など資格者代理人の責任で本人確認をしてもらい、「確かに登記名義人である」旨を証明する書類です。 登記移転等の手続きにおいて、司法書士に代理申請を依頼する場合にこの方法を利用できます。確認の方法は本人との面談、および身分証明書類の確認をもって行われます。

本人確認に必要な公的書類
・写真付きの身分証明書(免許証・パスポート・顔写真付き住民基本台帳カードなど)1つ以上を提示
・顔写真が付いていない身分証明書(健康保険証・年金手帳など)2つ以上を提示
本人確認情報にて登記手続きをする場合、次にお伝えする登記事務所による「本人確認の事前通知」を省略できます。発行も速やかに行われるため、引き渡し日に確実に所有権移転登記手続きができます。一方で司法書士に支払う高額の手数料が必要となります。

②事前通知制度
登記申請にあたり登記済権利証・登記識別情報を提示できない場合で、正当な理由がある時は登記所による事前通知制度を利用して、申請ができます。 これは登記所が郵送にて、申請者が登記名義人本人であることを確認するものです。 申請者は登記申請書に、登記済権利証等を提示できない旨とその理由を記載します。それを受けて登記所が、名義人の住所宛てに本人限定受取郵便で「事前通知」を発送します。 事前通知には「登記申請があった旨、及びその申請の内容が真実であるときは2週間以内にその旨の申出をすべき旨」が記載されています(法務局ホームページより)。 名義人は通知書に署名・押印をして登記所に返送する必要があります。印は登記申請書に押印した実印を押します。また2週間の期限は通知書が「届いた日」ではなく、通知書の「発行日」から2週間以内とされていますので注意が必要です。 事前通知制度による手続きは、手数料はかかりません。 不動産の売買取引で所有権移転登記をする場合は、登記移転申請をしてから登記名義人による通知書の返送を登記所が確認した後に、移転手続きが完了します。そのため残金決済・引き渡し日に所有権移転登記を完了できません。 また通知書を2週間以内に返送しなかった場合、申請が却下され移転登記が不許可になり、購入者に物件の所有権を移転できなくなります。 このため不動産の売買取引においては、事前通知制度ではなく、司法書士による本人確認情報の提出を利用する場合が一般的です。

(3)住民票
住民票を置いている市区町村役場の窓口、または郵送で取得できます。 取得の際に必要なものは、写真付きの身分証明書と実印または認印です。写真付きの身分証明書がない場合は、あらかじめ電話で役所に問い合わせると良いでしょう。 郵送で取得する場合は次の物が必要です。
・交付請求書
・定額小為替(手数料として)
・身分証明書の写し
・返信用封筒(切手を添付)
手数料や身分証明書の写しについては、窓口で取得する場合と異なることがありますので、事前に役所に確認すると安心です。 交付請求書は市町村役場のホームページでダウンロードができます。窓口用と郵送用で用紙が異なる場合がありますので、注意して下さい。 その他、パソコンから電子申請にて取得できる自治体もあります。 (4)本人確認書原本(身分証明書)
司法書士が売り主の本人確認をするために必要です。できれば写真付きの身分証明書を持参しましょう。

まとめ

マンションを売却する際に必要となる書類を、手続きごとにご紹介しました。 なおここでご説明した必要書類は一般的なものになります。不動産会社により異なる場合がありますので、手続き前に担当者に確認をするようにして下さい。 書類の提出を求められてから探していると時間がかかってしまいますので、必要な時にすぐに提出できるよう、あらかじめ用意をしておくことをお勧めします。また郵送での書類取得にはある程度時間がかかります。余裕をもって行動ができるよう、早めに準備をしておくと良いでしょう。

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